家出・人探し調査は時間が勝負

探偵といえば、皆さんがすぐに頭に思い浮かぶ調査は「浮気調査」 ではないでしょうか?

実際、多くの探偵社で浮気調査が一番多い調査依頼でしょう。
しかし、近年増えている調査の中に「行方不明調査」「家出・失踪調査」といった調査が挙げられるそうです。
日々、電話やメールにて家出や行方不明の相談をいただいてますが、最近のご相談は、高校生の行方不明や家出です。高校生といってもまだ子供、お金がなかったり寂しくなったりなどの理由で、1~2週間以内に自ら戻ってくる子供達がほとんどです。

しかし残念ながら、他の年齢層の家出や行方不明に関しては、その様なケースは多くありません。

以前にご主人様(Aさん)からの依頼で、3人の息子さんを持つ40代の奥さんが行方不明になったとご相談を受けました。
調査会社をご紹介して、調査は着々と進んでいきました。
そんな中、次々に見つかる奥さんの残したメモや手紙。Aさんの心に募る自責の念。周囲の声、環境や子供達の変化。それぞれが切実で、重く響き渡るものでした。奥さんの残したメモ書きや手紙には、仕事への思い。子供を愛してやまない気持ち。Aさんとの生活、憎しみ、慈しみ。そして、生きたい、死にたい。その両方の叫びの葛藤。
そこでAさんには、奥さんと再会したときのために、手紙を綴っていただきました。

その手紙は「○○!あなたの名前を呼ぶのは久しぶりですね」と。奥さんの名前を呼びかけるところから始まり・・・自己反省、今までの懺悔。今後へかける思い。そして子供達のこと、妻への思い。それらが、切々に綴られていました。
普段、当たり前に空気のように存在する相手。何気ない会話。相手への無関心さ。忘れた感謝の気持ち。そして、なくした謙虚さ。それらを振り返り、気持ちを入れ替えて姿勢を正し、発見協力に全力を尽くして確実に変わっていったAさん。

しかし、手掛かりも、足跡も全くつかめないまま時だけが無情に過ぎていきました。

そして・・・調査から3ヵ月が経ちました。
遠く離れた見知らぬ町で、解け始めた雪の中から奥さんの遺体が発見されたとの一報が警察から入りました。
遺体の傍には、大量の薬と飲めないはずの酒瓶が発見されました。

人って、何かきっかけがないと気付かないこと、忘れてしまっる事って多いですよね。
けど、気付いた時には、遅かった・・・。
そして、その大きな代償は?
後悔だけが何よりも大きくのしかかってくるでしょう。
あなたの大切な人、仲間達、周りの人達。
名前を呼びかけ、会話をしてください。話を聞いてあげて下さい。
「ありがとう」と感謝してみてください。

そんな些細なことが、言葉が、きっと何かのきっかけになってくれるだろうと思います。